大阪は日本橋の大きな交差点で信号待ちをしていたら、
真新しい作業服を着た50過ぎの男性が私に声をかけた。

振り返ると、
「とてもお腹が空いている、何か食べさせてほしい」と訴える。

パンやお握りを持ち歩いてはいない。
かといって、知らない人と食事に行くこともできない。

しかたなく、少ない小遣いのなかから1000円を渡した。
小走りに去っていった。

よく考えるとお金をくれと言っても渡さないだろう。
お腹が空いていると言えば、仕方なしにでもお金を渡す。

よく考えたものだ。
ほんとうにお腹が空いていたのだろうか。