あれから何年たったのだろう。
大手建設会社の「ひ孫請け」をしていた親方に雇われたフィリピン出身の出稼ぎ労働者が、働いた86万円が貰えないと相談があった。

私は親方に会い、期日を決めて支払うことを約束させた。
が、約束の日に入金はなかった。
仕方なく、3回にわけて支払う誓約書を書かせた。
結局、送られてきたのは2万円だった。

大手元請会社に出向き、元請けの責任で解決するよう要請した。
1週間ほどで連絡があった。
関係する部長が3名と下請けの社長が主席した。
下請けの社長は恰幅のいい人だったが不満が顔に表れていた。
不満があっても建設業法上、許されない。

84万円を受け取った建設労働者はフィリピンへと帰って行った。