和歌山県新宮市にある浮島の森は、昔、神倉聖の神聖な修行場でした。

 「おいの伝説」

ある日のこと、「おいの」という美しい娘が父と一緒に薪を採りに島に渡り、弁当の箸を忘れたため「カシャバ」の枝を求め奥深く入っていき、大蛇に呑み込まれたと伝えられています。
今も「蛇の穴(がま)」という底なしの穴があります。

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「おいの見たけりゃ 藺の沢(いど)へ 御座れ おいの藺の沢の蛇のがまへ」という俗謡を背景に上田秋成が「蛇性の淫」(『雨月物語』として小説にしています。