淀川沿いに細長くのびる旧枚方宿の町並みを眼下に見下ろし、こんもりと緑に包まれて突き出た丘が万年寺山です。摂津・丹波の山々や、豊かな淀川を一望に見渡せる風光明媚なこの丘は、京阪二都の中間にあり、数々の歴史の舞台となってきました。
言い伝えによると、推古天皇の時代、高麗(高句麗)の僧恵灌が、この地の風景のすぐれているのを愛で、眺めが唐の林岸江に似ているとして草庵を営んだのが万年寺のはじまりと云われています。

-

-

一千余年の法灯をを伝え、夕暮れを告げる晩鐘は人々に親しまれてきましたが、明治の神仏分離令により、この地に意賀美神社が遷ってきました。いまも参道の石段横に「長松山萬年寺」と刻んだ石柱や十三重の石塔が苔むしており、往時を偲ばしてくれます。
近年、境内に植えられた紅白梅が大きくなり梅の名所となっています。北には豊臣秀吉の御茶屋御殿跡があり、展望広場として整備されています。