「源氏物語」は十一世紀初めに作られた長編小説です。作者は藤原彰子に仕えていた女房紫式部であると伝えられています。
物語は全部で五十四帖からなります。このうち最後の十帖は、光源氏の息子薫や孫の匂宮と宇治に住む三姉妹との実のらね恋の物語で、特に「宇治十帖」と呼びます。「橋姫」で始まり、「夢浮橋」で終わる「宇治十帖」には、朝霧にけむる宇治川の流れが不可欠でした。
「源氏物語」は実話ではありませんが、いつの頃からか、物語の舞台はここであってほしいという人々の思いによって、宇治川周辺に宇治十帖の古跡が作られました。

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