熊澤蕃山(1618〜1691)
江戸時代前期の儒学者、16歳で岡山藩主池田光政に仕え、一時京都の中江藤樹の門に学ぶ。光政の信任を得て藩政に深く寄与するが、名声があがる一方で蕃山の思想を危険視する流言も多く、幕命により明石藩主松平信之に預けられた。延宝七年(1679)、信之が郡山に移封となったのに従い矢田山麓の地に移り住む。蕃山61歳の時であった。

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貞享二年(1685)信之は下総國古河に転じ、代わって宇都宮から本多忠平が郡山に入る。引き続き郡山に住んでいたが、幕府はこれを認めず貞享四年、古河に移され、元禄四年没、73歳。
蕃山の郡山の在住は九年間であったが、その名声を聞き教えを乞うものが後を絶たず、郡山藩の文教の発展に大きな影響を与えた。

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