太田黒田遺跡は、和歌山駅の東側一帯に広がる大きな集落遺跡で東西約500メートル・南北約700メートルにわたる。現在の行政区画では和歌山市黒田の一部と太田にあたる。この地域の区画整理事業に伴い、昭和43年から昭和59年にかけて15回の発掘調査が行われた。
この調査で弥生時代の竪穴式住居跡18軒を初めとして、各時代の溝・井戸・廃葉穴など多数の生活遺構が検出され、大型の複合集落遺跡であることが判明した。

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調査で検出された大型の刳り抜き井筒を納めた井戸跡(奈良時代)からは、和同開珎・万年通宝あわせて16枚が出土した。
遺物としては大量の弥生式土器や石器などの弥生時代の遺物をはじめ、各時代の生活遺物がみられ、特に昭和45年に遺跡の東北部で出土した銅鐸は弥生時代の集落内に埋納された銅鐸として注目される。

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