山辺の道は大和の古代道路のひとつで、奈良盆地の東南にある三輪山のふもとから東北部の春日山の麓まで、盆地の東縁、山々の裾を縫うように南北に通ずる古道で歴史上の記録では日本最古の道として知られています。

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海石榴市(つばいち)
七世紀代、この周辺は「海石榴市」と呼ばれ、大規模な「市」があったとされていました。此処では山辺の道をはじめとするいくつかの古道が交わり、大和川水運の港もありました。そのため、様々な物産が集まり、物々交換が盛んに行われていたようです。また、多くの老若男女で賑わい、「歌垣」などの行事が催されました。
このように交易の中心であった「海石榴市」は、都「藤原京」の玄関でもありました。遣隋使として有名な小野妹子が隋の使者裴世清と下客十二人を伴って帰国したとき、朝廷では、この地で錺馬七五疋を仕立て盛大に迎えたそうです。
古代の「海石榴市」は隋や唐の文化の花咲く、国際色豊かな町だったのです。

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平安時代になると「海石榴市」は「伊勢詣で」「長谷詣で」の宿場町として有名になります。例えば紫式部が著した『源氏物語』の玉葛の巻で登場します。その他にも清少納言、藤原道綱の母など多くの文人が訪れたそうです。