専修寺(せんじゅじ)唐門
如来堂の正面に建つ門で、文化六年(1809)に木挽きが始まり、文政十年(1820)に地築き(ぢつき)、天保十五年(1844)に棟上げをしている。
屋根は檜皮葺(ひわだぶき)で、正面と背面の軒に大きな唐破風があることから唐門と呼ばれる。控柱4本が腰長押(こしなげし)から下で、斜め外に踏み出した形になっているのは注目される。材料はすべて欅造りで、厳しく吟味された品位の高いものを入念に施工している。

s-CIMG295800

腰長押と飛貫(ひぬき)との間、扉、その脇の小壁、欄間には勢いのある菊、ぼたんの透かし彫が彫られ、他の部分にも親子の獅子や力士の彫刻がされるなど、全体に華麗で複雑な構造をした門である。
造営時に配られたと思われる木版刷りの立面図が残っていて、それによると始めは檜皮葺の2案が考えられていたらしい。