五新線の路盤を利用したバス専用道がトンネルや路面の状態が悪いことから2014年9月30日をもって閉鎖されることになっていることから昨日行ってみた。

文字通り奈良県五條から和歌山県新宮まで紀伊半島を縦断する鉄道建設計画があった。

五条市新町辺り、橋脚は取り壊されているがこれから吉野川を渡ることになる。(吉野川の橋脚は造られたが橋梁は建設されなかったようだ)

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バス専用道入り口

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五新線の沿線は吉野杉などを鉄道で輸送させる構想で1937年に建設に着手するがルート決定までに時間がかかったり、太平洋戦争が始まり資材不足ため工事が中断したりするが、1957年に工事を再開し、1959年に五条駅から西吉野村城戸(現・五條市西吉野町城戸)まで路盤が完成した。

しかし、西吉野村民は鉄道派とバス派とが村を二分することになり西吉野村は鉄道としての部分開業に反対しバス路線としての開業を主張したり、さらに近畿日本鉄道が吉野口 −五条 −阪本の電化工事を負担し大阪阿部野橋駅から電車による乗り入れの構想が表明され、南海電気鉄道も同様に工事費を負担し難波駅から橋本駅経由での気動車運転の構想を表明したため、混乱に拍車がかかり、結局、五条 −城戸の路盤をバス専用道路として暫定使用する一方、城戸 −阪本は引き続き建設し、この区間の完成後はバス専用道路を鉄道に切り替えるという、バス派と鉄道派の両者を立てた決着が図られた。

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城戸停留所 土日祝のバスは一日一往復のみ西吉野温泉まで行っている。 

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城戸 - 阪本の建設工事は進められたが、国鉄再建法施行により1982年に工事が凍結され、結局列車が走ることなく計画は断念された。
城戸停留所の先のトンネルは閉鎖されていた。

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ここまで来たので西吉野温泉にある「きすみ館」で温泉に入った。ここは若い頃に来た記憶が残っている。玄関を入ったところはリフォームはされているが当時は芋の子を洗うように混雑していた。

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備考
五条 - 城戸間は国鉄・JRバス専用道路として国鉄・西日本JRバスが運行していたが、並行道路の改良が進み専用道路の優位性がなくなったことから、開業時は続行運転をしていた程の乗客もほとんど無くなり、2002年10月にJRバスは撤退し、その後は地元自治体の委託を受ける形で奈良交通のバスが運行されている。しかし便数は減少の一途を辿っており、現在では土休日は早朝の1往復だけとなっている。