紀伊半島には多くの温泉がある。泉質もいろいろだ。

頻繁に渓流つりをしていたころ、初期は放流されたあまごを釣り、5月に入れば天然あまごを求めて源流近くまで釣り歩く。
初期の放流釣りは気温も低いし歩く距離もみじかい。したがって、たかまきすることもなく体は芯まで冷える。

ある日の夕方、放流しているのを目撃した。
あれを釣ろう!

立ち去るまで、
我々は道中にあった温泉に行くことにした。
階段を下りていくと硫黄の匂いがした、体が温まる。
風呂桶も壁もすべて木材を使用している。
源泉は透明だが空気にふれると淡い茶褐色に変わる。


云うまでもなく、釣りまくった。釣り漁券があるから違法ではない。
魚籠はすぐに一杯になる。
そして餌がなくなった。

何時までも体は冷えることはなかった。
その温泉を入之波温泉・山鳩湯という。
いまは、改装されて露天風呂も作られている。