北向観音は、長野県上田市の別所温泉にある天台宗の寺院で近くにある天台宗常楽寺が所有する。

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寺伝によれば、平安時代初期の天長2年(825年)円仁(慈覚大師)によって開創されたといい。安和2年(869年)平維茂によって大伽藍として大改修が行われたが、木曽義仲の兵火により焼失したのち、源頼朝により再興し鎌倉時代の建長4年(1252年)には北条国時(塩田陸奥守、塩田国時)によって再建されたと伝えられる。

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北向観音という名称は堂が北向きに建つことに由来し、これは「北斗七星が世界の依怙(よりどころ)となるように我も又一切衆生のために常に依怙となって済度をなさん」という観音の誓願によるものといわれ、 また、善光寺が来世の利益、北向観音が現世の利益をもたらすということで善光寺のみの参拝では「片参り」になってしまうといわれる。