前方の山並みは和泉山脈である。左方面の加太海岸から次第に標高を増して右方向最高峰 和泉葛城山(857)へと続く、山麓の南麓には日本列島を南北に二分する中央構造線が横たわり、その南に紀の川が西流する。
紀の川の北岸には大和と紀伊を結ぶ古代の官道が通っている。額田王・山部赤人・笠金村をはじめ多くの飛鳥・奈良時代の歌人が歩いたであろうことに思いを馳せると「万葉集」に詠まれた世界がより身近に感じられる。

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     我が背子が 跡ふみ求め 追ひ行かば
               紀伊の関守い 留めてむかも
(私が、紀ノ國へ行った夫の足跡を探し歩いて夫を追いかけていったならば紀の関守は私を留めるであろう。追いかけて行きたいのだが。)

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