これは元、小諸の本陣兼問屋上田屋の建物である。建設年代は十八世紀末から十九世紀初頭と推定されている。

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この二階建ては、問屋場で街道に面し、間口八間、正面に大きな切妻屋根の妻を見せ二階は腕木で持ち出し格子窓を広くとる。当初一階正面は全面開放の縁側で内部は八室が二列に並び、その全面に畳廊下を通した間取りであった。

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二階は九室で部屋割りはあまり変わっていない。別棟正座敷(御殿)を失っているのは惜しいが西隣にあるほぼ同時代薬医門とともに北国街道に残る数少ない構造が立派な本陣建築の一つである。