山口県光市の母子殺害差し戻し控訴審が10時からあった。
昼前のニュースでは主文を後にして判決理由から始まったとの報道を聞いた。
死刑判決だと思った。

被告側は差し戻し審で母子への殺意や強姦目的を否定する供述を行った。
裁判長は「死刑を回避する為の虚偽の供述をしていると言うしかない」として信用性を全面的に否定した。

弥生さんについて「自殺した母親のイメージを重ね、甘えたいとの気持ちから抱きついたら抵抗され誤って死なせた。生き返ってほしいという思いから強姦した。」
夕夏ちゃんについては「首を絞めた認識がない」との主張に対して、

起訴後6年半以上してから新供述を始めたのは不自然と指摘し、殺害については、右手で首を押さえて死亡させたとする被告の主張を遺体の状況と整合しないとして退け、強姦については性的要求を満たすためと推認するのが合理的、女性が生き返るという発想は荒唐無稽で到底信用できないとした。

さらに裁判長は、事実認定を争う被告人の態度について「自分の犯した罪の深刻さと向き合うことを放棄して死刑回避に懸命になっているだけで遺族への謝罪は表面的であって反省謝罪の態度とは程遠く反社会性は増進した」と述べて「18歳になって間もない少年であると考慮しても極刑はやむを得ない」とした。

妻子を殺害された夫は死刑判決がだされても元に戻るわけではないし生涯向き合っていくことを余儀なくされる。

私は基本的に死刑廃止論者であるが、終身刑という制度が無い以上この判決は妥当な判断であると信じる。