夢とは実に妙なものである。

30代の頃だったか、誰かはわからないが追いかけられる夢を毎夜のようにみた。
追いかけられるから逃げるのであるが相手の方がいつも早い。追いつめられる。
暴力を受けた時は箪笥で頭を打っている。
そして目が覚める。

あまりにも疲れるので昼に考えたことは、「飛ぶ」だった。

また追いつめられた。「飛ぶんだ」と自分に言った。
まるで鶏だった。両手を広げて上下すると上に上にと上がっていくではないか。
両手を早く動かすと早く上昇する。
相手が見上げている。だんだんと小さくなる。

勝ち誇った気分になった。

2〜3夜は同じ夢をみたが自信がついてきた。
ただ、上昇するだけだった。スーパーマンのようには飛べなかった。
これで、あの苦痛から抜け出した。

〈 夢とは実に妙なものである 〉