5月28日、蓮池透さん(元拉致被害者家族会事務局長)の講演会があったので聴いてきました。はじめに、蓮池透さんの著書について「拉致被害者たちを見殺しにした安倍晋三と冷血な面々」の本年1月12日の国会答弁が映像で流された。 

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講演内容
● 何故、拉致問題は膠着状態に陥っているのか
  2002年9月17日の日朝首脳会談は評価に値する 独自交渉で核・ミサイルまで踏み込んだ
  しかし・・・日本政府の被害者の人権無視
        >日朝平壌宣言への署名 「5人生存 8人死亡」を鵜呑みに
        >拉致被害者5人の「一時帰国」 原状回復が基本のはず
● 拉致問題の「解決」とは何か 「定義」を明確にすべき
● 「日朝平壌宣言に則り」と「全員を取り戻す」は矛盾
● 安倍政権の無策
  >「5人を引き止めた」は真っ赤なウソ 「ウソなら議員バッチを外す」とも
  >政治利用し総理大臣にまで上りつめた 政治的野望のため 自己中心的で国民不在
  >実行したのは、経済制裁と拉致問題対策本部(担当大臣)の設置のみ
           経済制裁の有効性 10年で成果なし
  >「あらゆる手段を尽くす」と言うが、議員外交、民間外交などは「二元外交」と否定
● 2014年ストックホルム合意は茶番
  >北朝鮮との対話・交渉路線は安倍首相の政治信条(集団的自衛権の行使)に反する
  >過去、再調査は茶番と言っていた安倍首相
  >広範囲すぎる対象者 拉致 特定失踪者 日本人遺骨 日本人妻 残留邦人
  >「拉致問題が最優先」の弊害 すべての被害者の人権は平等
  >経済制裁の復活・強化でホゴに 日本政府は有効 「対話の扉は閉ざさない」
● 北朝鮮の核実験・ミサイル発射は安倍首相にとって「渡りに船」
  >政策・現状を正当化する「後ろ盾」となる
  >安保法、憲法改正、沖縄米軍基地問題、拉致問題の膠着・遅延 等々
● マスコミの報道姿勢
  >2002年以前と以降 無視から一転過剰報道
  >その後思考停止 「家族会」「救う会」を「聖域化」「タブー化」
  >今後のビジョンを安倍首相に問いただすこともしない
● 拉致問題と過去の問題とは切っても切り離せない
  >北朝鮮とのパイプが切れた中どうするのか
  >「過去の清算」をてこに 具体的な「見返り」を提示
  >米国の干渉にどう対処するのか

−私の主張−
当初からの「対話と圧力」「拉致問題の解決なくして国交正常化はない」は、ボタンの掛け違いであった。経済制裁等を行っても解決しない、朝鮮は安倍政権の本質を見抜いている。