滋賀県蒲生郡日野町には、「桟敷窓」と呼ばれる窓のある家屋が数多く残っている。桟敷窓とは道路に面した家屋の板塀を四角くくり抜いた窓のことで、普段は閉めているが毎年5月に行われる日野祭の際には御簾を垂らして緋毛氈をかけ、塀の内側の中庭部分に桟敷席をつくるのである。

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日野祭は800年以上の歴史を持つ祭りで、桟敷窓は通りに出ることなく御輿や曳山の様子を見物できるようにしつらえられた窓である。

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日野商人の旧家が軒を連ね、日野祭り見物のための塀に作られた桟敷窓などに往時の面影を見ることができる。