兵庫県神崎郡福崎町には市川という川が流れています。この川の岸に駒ケ岩という大きな石がありますが、そこには以前、河童の兄弟、兄の河太郎と弟の河次郎が住んでいました。

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二匹は、川へ遊びにやってきた子供の足を掴んで引きずり込み、「尻子玉」を抜いてしまうのです。
やがて、子供達は河童を怖がって誰も駒ケ岩で遊ぼうとしなくなり二匹の兄弟は自分たちのせいだと後悔しました。

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兄の河太郎

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河童の河太郎と河次郎
みんなが寝静まった頃、河太郎たちは柳田國男先生に謝ろうと、駒ケ岩から生家のある辻川公園にやってきたのです。
二匹は柳田國男先生に会いたくて、毎日毎日この池で待っていました。兄の河太郎は池のほとりで、弟の河次郎は皿が乾くと困るので池の中で、それぞれ待つことにしました。
二匹は何年も何年も柳田國男先生を待ち続けました。とうとう兄の河太郎は頭の皿の水がなくなって動けなくなってしまったのです。こうして河太郎は、池のほとりで動けなくなったまま、今も巌橋の方を見て柳田國男先生を待っているのです。
河次郎は30分に一度、池から顔を出して柳田國男先生が来るのを待っているのでした。