知音の旅人

誰人であっても誕生と同時に 人生と云う旅に出て 目標に辿り着こうとする旅人である

野ざらし紀行

野ざらし紀行

         冬牡丹 千鳥よ雪の ほととぎす
                               松尾芭蕉 「野ざらし紀行」跡冬牡丹句碑

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松尾芭蕉が貞亨元年(1684)「野ざらし紀行」の旅のおり、詠んだ句である。句碑は江戸時代には建立されていたが失われていたため昭和12年に大阪の俳人野田別天楼、施主は桑名の俳人小林雨月によって建てられた。

野ざらし紀行

        手にとらば 消えん泪ぞ熱き 秋の霜       松尾芭蕉

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「母の遺髪を手にとると、わが熱い涙のしずくで、それは秋の霜のように消え去るだろう」

この句の前書きに「長月の初故郷に帰りて、北堂の萱草も霜枯果て、今は跡だになし。何ごとも昔に替わりて、はらからの鬢白く眉皺寄て、只命有てとのみ云て言葉はなきに、(後略)」とある。

長月は陰暦九月。北堂は母の居室、萱草(わすれぐさ)はその庭に植えられたもの。「霜枯果て・・・」は、芭蕉の母がすでに天和三年(1683)に死去したことをさす。はらからは、兄弟のこと、とある。
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